マンションの耐用年数は何年?寿命が過ぎたらどうなるの?

2022.01.12

マンションの耐用年数は何年?寿命が過ぎたらどうなるの?マンションの耐用年数は何年?寿命が過ぎたらどうなるの?

マンションは言うなれば一生の買い物。マンションの購入を検討するにあたり、その耐久性や寿命を気にする方も多いことでしょう。そこで正しく理解しておきたいのが、マンションの耐用年数についてです。

本記事では、耐用年数とはそもそもどのように定義されているのかをはじめ、マンションにおいての耐用年数の求め方、マンションの寿命を左右する要素などについて詳しく解説します。特に中古マンションを購入する場合は、耐用年数についてはしっかりと押さえておきたいところ。購入を検討しているマンションが長い期間快適に暮らせる物件かどうか確認するためにも、ぜひ参考にしてみてくださいね。

マンションの耐用年数とは?定義は?

中規模マンションの画像

マンションの耐用年数とは、法律上「固定資産の資産価値がなくなるまでの年数」と定められています。耐用年数すなわちマンションの寿命を指すわけではありません。

まずは耐用年数の決まり方や具体的な年数について正しく理解しましょう。

耐用年数はどうやって決まる?

建造物の耐用年数は、建物の造りや用途によって細かく定められています。

建物が木造か、鉄筋コンクリート造か、または住宅として使うのか、店舗や事務所などとして使うのかによって、耐用年数は異なるのです

住宅用の建造物の耐用年数については、次の表を参考にしてみましょう。

建造物の構造耐用年数
木造モルタル造20年
木骨・合成樹脂造22年
れんが造・石造・ブロック造38年
鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造47年

マンションは鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造が主流です。近年は木造マンションの建築が話題になることもありましたが、ほとんどのマンションは鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造といってよいでしょう。

つまり、マンションの耐用年数は47年であると考えることができます

耐用年数の計算方法

47年というマンションの耐用年数は、あくまでも新築時でのものです。中古マンションの場合、ある程度の期間は使用されているわけなので、新築時の耐用年数をそのまま適用することはできません。耐用年数を求めるには、次の計算方法を用いる必要があります。

耐用年数 = 47年 - 経過年数 + ( 経過年数 × 20% )

例えば、築20年の中古マンションならば、47年-20年+(20年×20%)=31年が耐用年数となります。

算出した年数に端数がある場合は切り捨てとなること、算出した年数が2年未満の場合は耐用年数2年となることも合わせて覚えておきましょう。

なお、経過年数(築年数)が47年以上となっている中古マンションもあります。この場合、次の計算式に従って耐用年数が求められます。

耐用年数 = 47年 × 20%

つまり、築47年以上の中古マンションは、耐用年数47年×20%=4年であると計算できます。

法定耐用年数とは?

電卓を使用して税金を計算する男性の画像

マンションの耐用年数は、正式には法定耐用年数と呼ばれます。

本記事のはじめにて述べましたが、これは固定資産の資産価値がなくなるまでの年数のこと。法定耐用年数は、マンションなどの建物だけでなく、車両や機械、器具、備品など、資産の種類ごとに細かく定められています。

法定耐用年数が定められているのは、資産の減価償却費の計上において必要となるからです。マンションの減価償却については後に詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

マンションの寿命は何で決まる?

壊れたコンクリート壁の画像

同じ鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造でも、長い期間使い続けられるマンションと比較的早く住めなくなってしまうマンションがあります。

マンションの寿命を左右する要素についても知っておきましょう。

マンションの耐用年数と寿命の違いとは?

先にも述べましたが、マンションの耐用年数とは資産としての価値がなくなるまでの年数のことを指します。耐用年数の47年を過ぎたからといって、ただちに住めなくなるわけではありません。

一方、マンションの寿命とは、人が住むことができなくなるまでの期間のこと

国土交通省の発表によると、鉄筋コンクリート造のマンションは平均約68年で解体されています。多くのマンションでは完全に寿命を迎える前に取り壊しや建て替えを行うため、実際の寿命は68年以上あると推測できるでしょう

本来であれば鉄筋コンクリート造の建造物の寿命は100年以上あるともされています。どれだけの期間マンションとして住むことができるかは、建物によるのです。

耐震性が携わっているか

マンションの寿命を決める要素のひとつに、耐震性が備わっているかがあげられます。

マンションの耐震基準は、1981年に改められました。

以前は「震度5強程度の揺れで建物が倒壊しない」という基準であったのに対し、1981年以降は「震度6強~7程度の揺れで建物が倒壊しない」という耐震基準が設けられるようになったのです。

そのため、築年数の古いマンションの中には、旧耐震基準で建てられたものも少なくありません。耐震性への不安から建て替えを選択するマンションも多く、建物としての寿命も短くなります。

定期的にメンテナンスはしているか

定期的なメンテナンスを行っているかどうかも、マンションの寿命を左右します。

近年のマンションは、長期修繕計画書により計画的にメンテナンスが実施されています。不具合に早い段階で気付くことができれば小さな修繕で済み、劣化がひどく進むこともありません。マンションも長い期間使用し続けることができます。

一方で、メンテナンスを怠っていると、壁のひび割れや亀裂といった不具合を見落としてしまいます。結果として建物の劣化を早め、マンションの寿命も短くなってしまうのです。

特にメンテナンスが必要となるのは配管です。配管の寿命は30年~40年とされており、メンテナンスはもちろん取り替えもしなければなりません。

しかし、高度成長期に建築されたマンションでは構造上配管の取り替え工事を行うことができす、建て替えざるを得ないという現状があります。こうしたマンションも、平均より早く寿命を迎えるのです。

質の良い建材を使用しているか

使用する建材の質も、マンションの寿命に影響します。

マンションの建材となるコンクリートそのものの寿命は50年~60年といわれています。しかし近年では、技術開発により寿命100年のコンクリートも使用されるようになってきました。このようなコンクリートを採用していれば、建物が劣化するスピードも押さえられ、マンションの寿命も長くなると考えられます

反対に、コンクリートの質が悪ければ、ひび割れや雨漏りといった問題を引き起こすこともあります。コンクリート内に水が入り込み、鉄筋が錆びるようなことになれば、建物も劣化してしまうでしょう。

また、給排水管の材質については、錆びやすいメッキ鋼管より腐食に強い塩化ビニール管の方がよいとされています。前述したように、配管のメンテナンスは特に重要であるため、材質にも注意が必要です。

カビや錆などが起こらない立地か

建っている立地によっても、マンションの寿命が短くなってしまうことがあります。

例えば、日当たりの悪いマンションは、湿気が高くカビが発生する原因に。また、海に近いマンションは潮風によって塩害が生じやすいため、鉄部分に錆が生じることもあるでしょう。

カビや錆は、建物の劣化を進めてしまいます。必然的に、マンションの寿命も短くなるのです。

マンションの減価償却とは?

マンションの減価償却費用について計算する夫婦の画像

マンションを自宅として所有している分には問題ありませんが、「マンションを売却した」「マンションを賃貸に出して家賃収入を得ている」といった場合には、不動産所得にかかる税金を申告しなければなりません。このとき必要になるのが、減価償却です。

ここからは、減価償却の考え方や計算方法について解説していきます。

減価償却とは経年による資産価値の減少のこと

マンションは、年月を経るほどにその価値が低くなっていきます。同じような立地、間取りでも、新築のマンションと築20年のマンションでは価値が違いますよね。

このように、経年によって資産価値が下がる物については、その購入費用を使用できる期間にわたり経費として分割して計上していきます。この会計上の仕組みが、減価償却です。

マンションの場合、不動産収入として得た利益から減価償却費を経費として引くことになります。つまり、申告する利益の額が少なくなるため、節税になるのです。

耐用年数と減価償却は関係ある

先に、減価償却について、「資産を使用できる期間にわたって経費として分割して計上していく」と述べました。この「資産を使用できる期間」が、耐用年数となります。

マンションをどれだけの期間使用できるか正確に見積もることは極めてむずかしいといえるでしょう。そのため、法で定められた耐用年数をもとに、減価償却費を計算していくのです

減価償却の計算方法

マンションの場合、定額法という方法により、毎年決まった金額を減価償却します。

減価償却の対象となるのは建物の購入にかかった費用のみで、土地の価格は対象外です。物件価格に仲介手数料や固定資産税を含めた金額をまとめて取得価額といい、減価償却費は次の計算式で求められます。

減価償却費 = 建物の取得価額 × 償却率

定額法の償却率は、耐用年数をもとに下の表のように定められています。

なお、平成19年3月31日以前に取得した建物については償却率が微妙に異なるため、国税庁のホームページを確認するようにしてください。

参照:国税庁 減価償却資産の償却率等表

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/pdf/2100_02.pdf

耐用年数償却率耐用年数償却率耐用年数償却率耐用年数償却率
2年0.50015年0.06728年0.03641年0.025
3年0.33416年0.06329年0.03542年0.024
4年0.25017年0.05930年0.03443年0.024
5年0.20018年0.05631年0.03344年0.023
6年0.16719年0.05332年0.03245年0.023
7年0.14320年0.05033年0.03146年0.022
8年0.12521年0.04834年0.03047年0.022
9年0.11222年0.04635年0.02948年0.021
10年0.10023年0.04436年0.02849年0.021
11年0.09124年0.04237年0.02850年0.020
12年0.08425年0.04038年0.027
13年0.07726年0.03939年0.026
14年0.07227年0.03840年0.025

例えば取得価額4,000万円で新築マンションを購入した場合、耐用年数は47年なので、減価償却費は次のように求められます。

4,000万円 × 0.022 = 88万円

47年間にわたり毎年88万円の経費を計上できるという計算です。

中古マンションの場合は、まずは築年数をもとに耐用年数を求めなければなりません。

例えば築20年の中古マンションを取得価額2,500万円で購入したとしましょう。序盤で紹介した計算式に則ると、建物の耐用年数は、47年-20年+(20年×20%)=31年と計算できます。耐用年数31年の建物の償却率は0.033なので、

2,500万円 × 0.033 = 82.5万円

つまり、82.5万円の減価償却費を31年にわたり計上できることになります。

耐用年数が過ぎた物件はどうなる?

築年数の経過したマンションの画像

それでは、耐用年数を過ぎたマンションはどうなるのでしょうか。耐用年数を経過した物件の問題点も確認しておきましょう。

耐用年数を超えても住めなくなるわけではない

繰り返しになりますが、マンションの耐用年数を超えてもただちに住めなくなるわけではありません。管理状態がよければ、耐用年数を過ぎていても大きな問題なく生活していくことができるでしょう。多少の劣化は仕方ないとしても、まだまだ住居としては充分その役割を果たせるのです。

しかし、物件としては資産価値が低くなってしまうことから売却がむずかしくなったり、減価償却期間を終えて納める税金が増えてしまったりといったデメリットもあります。築年数の古い中古マンションや、すでに耐用年数を過ぎている物件を購入する際は、こうした側面も意識しておかなければなりません。

中古マンション購入を検討する際に気をつけるポイントは?

マンションの鍵を指にかけている画像

中古マンションを購入するにあたり、耐用年数は確認しておきたい項目のひとつです。耐用年数以外にチェックするべきポイントについても押さえておきましょう。

①修繕費用はいくらかかるのか

中古マンションの購入を検討する際は、修繕費用はいくらかかるのか気をつけなければなりません。そのために、修繕積立金について確認しておきましょう

マンションは、外壁補修や給排水管の設備修繕など、大規模な修繕工事を見越して修繕積立金が設定されています。物件としての購入費用に加え、毎月決められた修繕積立金を支払う必要があるのです。

修繕積立金は、月々数千円ですむ物件もあれば、2万円、3万円支払わなければならない物件もあります。このような金額差はマンションの規模や築年数の差によるところでもありますが、一概に安いからいいというわけでもありません。修繕積立金の設定額が低すぎると、急な値上げがあったり、一時金の徴収があったりということも考えられるのです

購入予定の中古マンションではどのような設定がなされているか、管理組合は計画的に修繕費用の積み立てを行っているかなど調べた上で、物件を選ぶようにしましょう。

②資産価値は下がりにくい物件か

中古マンションの購入を検討する際は、資産価値が下がりにくい物件であるかどうかも確認する必要があります。

「終の棲家とするから、価値が下がってもかまわない」と考えている方もいるかもしれません。しかし、予想外の転勤や引っ越し、家族構成の変化などで、マンションを手放さざるを得ない状況となることも充分考えられるでしょう。その際、マンションの資産価値が下がってしまっていると、売ることも貸すこともできず、維持のために費用だけがかかる“負動産”となってしまいます。将来を見据えて物件を選ぶには、資産価値の下がりにくさはとても重要なのです。

資産価値の下がりにくい物件の特徴としては、周囲の交通インフラが整っていること、生活の利便性が高いこと、管理状態がいいことなどがあげられます。特に立地が大きな要素となるため、中古マンションを購入する際は周辺環境も確認するようにしてください

③住宅ローンの借入期間を確認しておく

中古マンションでも新築マンションと同じように住宅ローンを組むことができますが、注意しておきたいのは住宅ローンの借入期間です。

中古マンションの購入において、金融機関によっては、築年数が法定耐用年数未満であるうちに返済を終えるよう借入期間を制限されることがあります

例えば、築25年の中古マンションを購入するとしましょう。マンションの法定耐用年数は47年であるため、住宅ローンが組める期間は47年-25年=22年となります。一般的な住宅ローンの返済期間が35年であるのに比べると短くなるため、毎月の返済額が大きくなってしまうことも考えておかなければなりません。

ただし、ローンの借入期間に制限があるのは、あくまでも一部の金融機関のみです。不安に思う方は、事前に確認し、金融機関選びにも気を配りましょう。

まとめ

マンションの耐用年数とは、資産としての価値がなくなるまでの年数のことであり、建物としての寿命とは異なります。マンションの場合、法律上耐用年数は47年と定められていますが、耐用年数を経過したからといってすぐさま住めなくなるわけではありません。立地条件がよく、適切なメンテナンスがなされていれば、マンションとしての寿命は長くなるのです。

ただし、ある程度の耐用年数を経過している物件は、資産としての価値が下がることから売却の際に買い手がつきにくかったり、購入にあたり住宅ローンの借入期間が制限されたりといったこともあります。中古マンションの購入を検討する際は、耐用年数の経過によるこのような事態も視野に入れておく必要があるでしょう。

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